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◆ ホーム >> 最新宇宙ニュース:2003年 >> 5月7日に水星が太陽面を通過

今年の話題の天文現象のひとつが、5月7日に起こる。水星が太陽面を通過するという現象である。
水星は太陽系の中で最も太陽に近い惑星である。地球の軌道よりも内側にあるので、地球から見て太陽からある一定の角度以上に離れることはない。そして、しばしば太陽と地球との間にやってくる。これを内合と呼ぶ。水星の軌道面は地球の軌道面とは約7度ほど傾いているため、ほとんどの場合、太陽の上か下を通過することになる。ところが、ごくまれに太陽と地球を結んだ直線の近くを通過する、すなわち太陽−水星−地球がほぼ一直線に並ぶ内合が起こる。この時には、地球から見て水星が太陽の表面を通り過ぎていくことになる。これを水星の日面経過あるいは日面通過と呼ぶ。太陽面を通り過ぎるとき、地球から見た水星は明るい太陽を背景として、黒い小さな点として観察できる。この観察には、天体望遠鏡と、目を痛めないように、投影板に映し出すなどの太陽観察のための特殊な工夫が必要である。近くの科学館や公開天文台などへ問い合わせて、見せてもらうのがよいだろう。たとえば国立天文台三鷹キャンパスでも、当日は常時公開コースにある20cm屈折望遠鏡を太陽に向け、水星が太陽面を通過する様子を一般の人にも見ていただく予定である。

昼の現象で、観察しやすいこともあって全国の高校生が一斉に観察してみようという呼びかけもはじまっている。観測マニュアルなども整備されているので、参考にすると良いだろう。(http://www.astro-hs.net/)

この現象が始まるのは、14時11分頃だが、通過には5時間ほどかかる。日本では通過そのものが終わらないうちに、太陽が沈んでしまう。ちなみに、このような水星の太陽面の通過は前回は1999年11月16日に見られたが、次回は2006年11月9日までない。(2003/5/1)

国立天文台 渡部潤一

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