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地球外知的生命体あるいは文明を探すこと(SETI,Search for Extra-Terrestrial Intelligence)は1960年のオズマ計画以来続けられてきています。開始されてからすでに43年が経過していますが、いまだに発見に成功しておりません。最近の動向をお伝えしましょう。

今までは電波による探査が主流でした。どこの周波数帯を使うかわからないので、受信した電波を細かな周波数チャンネルにわけて狭い帯域の知的信号を探すという手法です。seti@homeは、細かな周波数チャンネルに分けて解析するというところをみんなのコンピューターの空き時間でやろうとしていたわけです。

これにたいして、最近、光のパルスを探す方法がふえてきました。狭い時間のパルスにエネルギーを集中して送れば、これも遠くまで届くからです。ハーバード大学で電波探査を続けてきたホロビッツ教授のグループが光パルス検出法を始めましたが、この方法が数グループに広がっています。

電波探査の方では、カリフォルニア大学バークレーグループが、民間からの寄付金をもとに、アレン望遠鏡網(Allen Telescope Array)と呼ばれる電波望遠鏡づくりを開始しました。これは、直径6.1mのアンテナ350個並べて、SETIと電波天文学に使うというものです。観測周波数帯は500MHzから11GHzをカバーするもので、探査解析能力では今までのものをはるかに圧倒します。2004年には32個のアンテナで部分運用を始め、完成に向かいます。

アレン望遠鏡網の考え方は、たくさんのアンテナを組み合わせ、それぞれのアンテナからの信号を結合してディジタル処理をおこなうことにより、複数のビーム生成と周波数解析能力との両方で、たいへん優れた性能を発揮します。このディジタル処理能力は、コンピュータの発達とともに、そこだけを取り替えればいいので、時代とともに強力な装置に進化していくことができます。

アレン望遠鏡網の考え方は、もしかすると、世界の電波天文学者が次世代の電波望遠鏡として2015年ぐらいの実現に期待を寄せている、SKA(Square Killometer Array)電波望遠鏡のデザインに採り入れられる可能性をふくんでいます。そして、SKAは、現在の100m電波望遠鏡100台分ぐらいの面積と、さらにずば抜けた解析能力をもつように工夫されています。この実現のあかつきには、電波天文学のみならず、SETIの利用も、今から期待されているものです。SKAについては、いずれ、別の機会があることでしょう。

SETI、まだまだ人類の挑戦は続きます。(2003/9/19)

宇宙科学研究所 平林久

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