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2003年10月1日、日本に「宇宙航空研究開発機構」が誕生しました。これまで宇宙の仕事をしてきた宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団の三つが統合され、単一の組織になったのです。英語名はJapan Aerospace Exploration Agencyで、略してJAXAといいます。「ジャクサ」と呼んでください。活動の中身を一語で表したExplorationは、未知の謎に挑戦し、未踏の世界に足を大胆に伸ばし、未来の明るい社会を建設するという壮大な夢を、短い言葉の中に凝縮させたものです。私はこの命名が大変気に入っています。

JAXAロゴ

このたび統合された三つの組織で働いてきた人たちは、空や宇宙をターゲットにした仕事をすることに限りない魅力を感じています。若い頃から空へ宇宙へ思いを馳せてきました。ある者は、性能や信頼性の高いロケット・飛行機・探査機を設計・製作し、広い空間を自在に飛び回ることを夢に見ています。またある者は、まだ人類の誰も見たことがなく解決していないさまざまな宇宙や太陽系の謎に挑むべく、日夜懸命に努力を重ねています。そしてある者は、衛星を開発することを通じて、人々の生活の向上や地球環境問題の解決に貢献したいと考えています。

実は昨年、遠山文部科学大臣から三機関の統合が宣言された時、私たちの多くは驚いたものです。「こんなに互いに文化の異なる三つの組織をどうやって単一の機関にまとめるの?」しかし行政改革の一環としていわば至上命令として降ろされたこのトップダウンの指示を「運命」と甘受してからは、「同じ統合するなら出来るだけいいものを作ろう」と、三機関の人々は死に物狂いで統合の日をめざして努力を開始しました。たくさんの難題があり、たくさんの喧嘩があり、たくさんの我慢がありました。それは決して平坦な道程ではありませんでした。しかしどうやら準備は整い、21世紀の日本の宇宙開発を遂行する事業が、その第一歩を踏み出したのです。

今JAXAの前には、バラ色の未来が自動的に開けているわけではありません。統合への道を踏み出してしばらくの間は、互いの呼吸をしっかりと合わせていくための日々が続いていくことでしょう。しかしともかく、空や宇宙を舞台にした実にバラエティに富んだ人類の活動が、JAXAによる始動を待ち焦がれています。地球上の人々を環境やエネルギーの危機から救う任務、人々の命と暮らしを守り生活をより便利で充実したレベルに引き上げる任務、宇宙や太陽系の観測・探査を続けることにより世界中の人々の好奇心に応えながら日本の知的存在感を大いに際立たせる任務、そして、以上の課題をやり抜くために高い信頼性を誇るロケットを中心とする極限の宇宙輸送技術を追求していく任務……どれをとってもやりがいのある素晴らしい任務です。

私たちは一つになりました。大好きな空や宇宙の仕事を通じて、同じ時代に生きる多くの人々に夢と希望と安心を届けることが、私たち全員の願いです。閉塞感の漂う日本の国が、JAXAの精力的な活動によって活力を帯びることを心から期待しています。

志の高いスクラムを組んで前進します。みなさんとともに、私たちと次の世代を担う子どもたちの生きる時間が、輝かしい時代になるように頑張ります。数十年後、「あの難産の統合が飛躍の出発点だったのだ」と言われるように。新生JAXAをどうぞよろしくお願いします。(2003/10/1)

宇宙科学研究所 的川泰宣

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