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宇宙航空研究開発機構(JAXA)が10月1日から発足しました。

アメリカのNASAも1958年のこの日に発足したそうです。JAXAに較べて45歳の年上ということになります。NASAはケネディ大統領の檄のもと、1969年に月に人を送り込んだのですが、これを11才にしてやり遂げたのですからたいしたものです。もちろんJAXAは、日本に最も適した独自のやり方で、素晴らしい成果をあげていかなければなりません。JAXA発足で、いろいろ責任も感じますが、今日は、ちょっと違った感慨を記してみましょう。

移行前に指名された山之内理事長は、そのときの挨拶の中で、JAXAが弱者であってはならないと言っておられました。しかし、やくざでもいけないだろうと思ったことでした。インドの電波天文学者アナンサクリシュナンにこの話をすると、「ヒンズー語で「ヤクシャ」というと羽の生えた天使のようなものを指すんだ」と教えてくれました。新機構にとって祝福されたいい名前だと嬉しく思い、仲間にも知らせたいと思いました。アナンサクリシュナンの名前そのものもたいへん祝福された名前です。アナンサとクリシュナとはヒンズーの男女の神なのです。彼をニックネームではアナンサと呼んでいますが、アナンサはヤクシャの絵を送ってきてくれることになっています。飛天のような優雅な姿なのだろうか、今から楽しみです。

合体した3機関はそれぞれもともとは違う省庁に属し、それぞれ違う目的に、それぞれの文化にもとづいてやってきました。今後は相当な努力を持って、一体感を共有しながらいい仕事をしていかなければなりません。3つが一つになる。それで思ったのが、原子核をつくる中性子や陽子のような素粒子が、さらに基本的な素粒子であるクォーク3個できているということです。クォークは素粒子の標準理論では電荷と世代の違いによって6通りのクォークの種類があって、陽子と中性子は第一世代のアップクォークとダウンクォークの2種類から3個をつかってできることになっています。そして、これを結びつけるのがグルーオンという粒子ということになっています。

ここで、もとの3機関とJAXAを素粒子と見立ててみると、JAXAは陽子であるべきではないかと思うのです。陽子はとても安定で、これが壊れたのは確認されていません。小柴先生たちがカミオカンデをつくったのは、素粒子論の大問題、陽子が壊れるか、陽子が壊れるのを見つけようという実験が発端でした。さらに陽子は中性子と違って電荷を持ち、電子とともに多彩な相互作用の世界を作り出します。

それでは、JAXAはいつまでも安定な陽子でいいのでしょうか。いつかはそれも変革を遂げて、さらに新しい粒子になるのでしょう。それは第二世代のチャームクォークとストレンジクォークの組み合わせで、今はわからぬえもいわれぬものになる のでしょう。

こうしてJAXAのロゴをもう一度眺めますと、なにやら不思議な素粒子反応をお こした粒子の軌跡のように見えるから不思議です。(2003/10/3)

宇宙航空研究開発機構 平林久

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