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◆ ホーム >> 最新宇宙ニュース:2003年 >> 24日は早起きして南極の皆既日食を見よう!

天文ファンにとっては欠かすことのできない現象の一つが皆既日食です。今回は、その皆既日食がなかなか行くことができない南極大陸で11月24日の祝日の早朝に起こります。

皆既日食は太陽が月に隠される現象です。その時の月の影が、地球のどのあたりに落ちるかによって、どこで日食が見られるかが決まります。今回の日食では、月の影がぎりぎり地球の南側の端、つまり南極大陸に落ちることになります。極地方で起きる日食は、それほど珍しくはありません。20世紀中に南極で日食が起きたのは、部分日食を含めると15回、皆既日食に限れば6回ありました。ただ、本格的に観測や中継が行われる皆既日食は、南極では今回が初めてです。前回の皆既日食は1985年11月12日、その前が1950年3月18日でしたが、いずれも皆既の時間も非常に短く、場所もごく狭いところに限られていたため、中継も観測も行われませんでした。さらにその前というと1939年10月12日。まだ太平洋戦争が終わっていない時代です。基地どころか、南極探検もたいへんな時代でしたから、日食どころではなかったのでしょう。その意味では、今回の南極での皆既日食は、人類が南極に足を踏み入れてから、初めて見る日食といっていいでしょう。ちなみに、次に同じような条件の皆既日食が南極で起きるのは2021年12月4日となります。

南極への日食ツアーもありますが、どれも非常に高価でした。でも、あきらめることはありません。日本はとてもよい国際貢献をします。NHKおよび民間団体「ライブ!ユニバース」が、それぞれに皆既日食の中継を予定しているからです。テレビあるいはインターネットで白い大地の上で起きる黒い太陽を眺めることができるかもしれません。

とりわけNHKは24日朝、総合テレビとハイビジョンで南極から史上初の皆既日食生中継を行う予定です。ちなみに東京のスタジオでは、私も出演予定です。皆既食には成りませんが、97%まで太陽が欠ける昭和基地、皆既日食となるロシアのノボレザレフスカヤ基地、それに航空機を用いた上空1万メートルと、3つの地点からの中継が予定されています。

また、これまでしし座流星群などの天文現象のたびにインターネット中継を行ってきた民間団体「ライブ!ユニバース」は、ロシアの砕氷船を使ったツアーに同行。皆既食帯が最初に南極大陸に落ちる中心地点、シャクルトン・アイス・シェルフ(Shackleton Ice Shelf)と呼ばれる場所から、映像と音声をインマルサットやイリジウムなどの通信衛星経由で日本の配信センターに送り、それがインターネットで配信される予定です。

皆既日食では、黒い太陽の周りにコロナが見えます。美しい繊細な流線をもつコロナの眺めは非常に壮観です。この時期、南極は太陽がほとんど沈むことがない白夜を迎えています。南極ですから太陽が空高く上がることもありませんので、高度の低い、つまり地平線に近いところで起きる日食となります。地平線に近いと、夕日や朝日のように、大きく壮観な眺めとして感じられるようです。どのような映像が見られるか楽しみですが、いずれにしても、24日には早起きをすると得かもしれませんよ。(2003/11/20)

国立天文台 渡部潤一

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