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◆ ホーム >> 最新宇宙ニュース:2004年 >> 暁の東の空での天体ショーを楽しもう

今年の秋は、いつまでも残暑が続いていたと思ったら、台風がいくつもやってきて急に肌寒くなりましたね。同時に、夜空の方もずいぶんと透明度が増してきました。空気中の水蒸気の量は、気温が下がると少なくなるので、青空も深くなるのです。

そんな秋の夜空、今年はちょっとした天体ショーが見られます。ショーの舞台は、明け方の東の空。そこにもともと輝いている明けの明星・金星へ木星が接近するのです。

金星と木星は、惑星の中でも特に明るいものです。金星はマイナス4等、木星はマイナス1.7等。星座を作っている恒星の中で最も明るいのが、おおいぬ座の一等星シリウスで、マイナス1.4等ですから、この二つの惑星はどちらもシリウスよりも明るいわけです。その二つの惑星が接近するのですから、これほど見事な天体ショーはありません。

11月はじめから金星と木星は次第に接近していきます。お互いの距離は3日には2.4度、4日には1.5度、そして5日早朝に最小となり、0.6度となります。このときの接近距離は、ちょうど、お月さま一個分に近い、大接近といえるでしょう。

金星と木星が接近するのは、実はしばしばあることです。しかし、ほとんどが太陽のそばで起きる、つまり真昼の空で起こってしまうので、このように肉眼で見ることができないことが多いのです。それだけに、今回の接近はなかなか珍しいものです。これだけ近づく二つの惑星が、今回のように条件よく見られるのは、1999年2月23日の夕方以来5年ぶりです。また、この次の大接近は、4年後の2008年2月2日早朝までありません。

その後二つの惑星が離れていきますので、山場は5日なのですが、実は、今回の天体ショーには、もう一つの山場が待っています。11月10日には、離れつつある金星と木星との間に、月がすっぽりと入り込んでしまうのです。月齢26.7という、とても細い月が木星と金星を従えて輝く、まさに三天体の競演です。暁のあかね色をバックに、金星、月、木星が並んで輝く様子は、この上もなく美しい星景色となるに違いありません。

日の出の一時間前、東の地平線がほんのりと染まり出す頃(東京以北では午前5時頃、福岡では午前5時30分頃)が見頃でしょう。肌寒い早朝の現象ですが、少し暖かく着込んで、ぜひ早起きして眺めてみましょう。(2004/11/1)

自然科学研究機構国立天文台 渡部潤一

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