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2011年の宇宙−新年おめでとう


みなさん、明けましておめでとうございます。わが家には大晦日に韓国からのホームステイの兄妹(中1、小5)を迎えて大わらわでした。1日には朝5時に起きて江の島へ。家を出た途端に、明けやらぬ東の空に三日月と金星の美しい光景が飛び込んできました(図1)。「あかつき」の無念を思い出しました。

三日月と金星
▲図1

さて江ノ島はピカピカに晴れていました。初日の出は東に(図2)、富士山が西に(図3)。それから鎌倉の長谷の大仏と鶴岡八幡宮へ。さすがに朝が早いと長蛇の列に巻き込まれなくて助かりました。早起きは3時間の得。ご存知ですか、鎌倉の小町通りに「萩原」というレストランがあり、そこの肉料理がうまいのです。立ち寄りました。

初日の出
▲図2

富士山
▲図3


2日は、家人が韓国の兄妹を連れてディズニーランドへ出かけたので、原稿のたまっている私は留守番。頼まれたウサギの餌をやろうとして見ると、ペレットはあるが牧草がない。ペレットをやってみたら食べないので、可哀そうそうに思ってインターネットで店を探して牧草を買うべく三ツ境まで出かけました。行ってみたらその「濱うさぎ」という店は和菓子屋さんでした。癪に障ったのでその店の最中と煎餅を韓国への土産に買いました。帰宅してみたら、ウサギがペレットを一生懸命に食べているので、またムカッ。

さて、2011年も人類の宇宙進出はたくましく続きます。

1 無人補給船「こうのとり」2号機とアメリカの有人を視野の補給船

日本が開発した無人補給船「こうのとり」2号機(HTV-2)(図4)が、1月20日にH-IIBロケット(図5)2号機によって打ち上げられ、ISS(国際宇宙ステーション)に向かいます。日本の重要な国際貢献の金字塔がまた一つ。注目しましょう。

「こうのとり」2号機(HTV-2)
▲図4

H-IIBロケット
▲図5


これと並んで、アメリカの補給船の二つの候補、スペースX社の「ドラゴン」(図6)とオービタル・サイエンス社の「シグナス」(図7)があります。どちらも「民間で有人宇宙を」というオバマ大統領の戦略に基づいて指名されているものです。「ドラゴン」は昨年12月初めに打ち上げと回収に成功しており、今年は国際宇宙ステーションへの輸送を実現する重要なステップが得られるか、注目されます。また「シグナス」の方は、昨年の末に打ち上げる予定が延び延びになって、今年半ばにテスト飛行が行われます。どちらも有人を視野に入れた開発です。

スペースX社の「ドラゴン」
▲図6

サイエンス社の「シグナス」
▲図7


2 「はやぶさ2」発足と「イカロス」

世界を席巻した「はやぶさ」の地球帰還。回収されたカプセル容器から見つかりつつある微粒子の分析結果が2011年のうちに次々と発表されるでしょう。太陽系の起源に迫る成果が楽しみですね。そして「はやぶさ」の技術成果を受けて「はやぶさ2」(図8)の初年度予算30億円が、昨年末に満額承認されました。そのライバルであるNASAの「オシリス計画」が、アメリカ政府から認可を受けるかどうかも注目されます。

世界初のソーラーセイルを見事に達成した「イカロス」は昨年12月に金星に接近して再び惑星系空間に出ました。その2011年宇宙の旅はどこへ向かうのか、これも胸がドキドキするミッションですね。「イカロス」の後を追ったアメリカの「ナノセイル」が昨年末に失敗に終わったので、今年半ばのアメリカのライトセイルが楽しみです。

金星探査機「あかつき」の闘いも続行されるでしょう。がんばれ!

「はやぶさ2」
▲図8

3 外国の太陽系探査

アメリカでは、バレンタインの日(2月14日)にテンぺル1彗星とランデブー(図9)すべく、「スターダスト・ネクスト」探査機が飛翔を続けています。テンぺル1彗星は、2005年に「ディープインパクト」探査機が衝突プローブをぶつけて100 mほどのクレーターを人工的に作りましたが、「スターダスト・ネクスト」は、そのクレーターを含むこの彗星の解像度の高い写真や詳細なデータを得るつもりです。3月には探査機「メッセンジャー」(図10)が水星周回の12時間周期の楕円軌道に入る予定になっています。

テンぺル1彗星とランデブー
▲図9

探査機「メッセンジャー」
▲図10


8月には、木星探査機ガリレオの後継機「ジュノー」(図11)が打ち上げられます。2016年に木星に到着する予定です。

「ジュノー」
▲図11

2007年に地球を旅立った探査機「ドーン(Dawn)」(図12)が、今年の8月に火星と木星の間にある小惑星ヴェスタに接近します。キセノンのイオンエンジンを積んでいて、2009年2月には火星のスウィングバイに成功しています。

「ドーン(Dawn)」
▲図12

9月には、2機の月探査機「ラディー:LADEE」(図13)と「グレイル:GRAIL」(図14)も打ち上げ。またあの大活躍した「スピリット」と「オポチュニティ」の4倍の重さを持つローバー「キュリオシティ(Curiosity:好奇心)」(図14)を搭載した火星探査機MSL(火星科学実験室)も今年の打ち上げ。

「ラディー:LADEE」
▲図13

「キュリオシティ(Curiosity:好奇心)」
▲図14


空恐ろしいアメリカの多様な計画ですね。

11月には、ロシアの「フォボス・グルント」探査機(図15)が火星をめざすことになっており、それには中国の初の惑星ミッション「蛍火1号」も乗る予定です。

「フォボス・グルント」探査機
▲図15

4 古川聡飛行士の初飛行
古川聡宇宙飛行士
▲図16

古川聡宇宙飛行士(図16)が、いよいよソユーズで国際宇宙ステーションに出発します。半年間の長期滞在をしますよ。ようやく夢をかなえた古川さんが、どのような世界への貢献をしてくれるか、大いに期待しましょう。


5 地球環境モニターへGCOM-W発進

最近何だか私たちの地球の気候が変な動きをしていることを感じている人は多いでしょう。それを10年以上にわたって長期継続観測するGCOM(地球環境変動観測ミッション)の一番機GCOM-W(水循環変動観測衛星)(図17)が、種子島から発進します。成功して欲しいですね。すでに軌道上にある「いぶき」(GOSAT:温室効果ガス観測技術衛星)などの活躍も大いに期待されます。

GCOM-W(水循環変動観測衛星)
▲図17

6 スペースシップ2

もう一つ注目されるのが、民間宇宙旅行の商業化を目指している英ヴァージン・グループの旅客宇宙船「スペースシップ 2」(図18)。昨年10月に13.7 kmまで上昇して地上に帰還するテストに成功した「スペースシップ2」はその後も2回のテストを実行しました。すでに20万ドルのチケットに対し、370名の応募があるといいます。実際にお客さんを乗せるまでには50回から100回のテスト飛行が必要でしょうが、「2011 年宇宙の旅」と称して、今年が正念場になりそうですね。

「スペースシップ2」
▲図18

7 ガガーリン50周年とISSの完成

あの人類初の宇宙飛行から今年はちょうど50年ですね。そんな年に、スペースシャトルが最後のフライトを迎え、併せてISSが完成するというめぐりあわせになりました。これについては、もう多くは必要ないでしょう。新聞やテレビでどんどん報道されるでしょうからね。

それにつけても、頑張れ、人類の宇宙進出。


宇宙航空研究開発機構 技術参与・名誉教授
NPO法人 子ども・宇宙・未来の会 会長    的川泰宣

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